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長尾 誠也*; 中嶋 悟
Science of the Total Environment, 117-118, p.439 - 447, 1992/00
放射性廃棄物の地層処分において、土壌や堆積物中の腐植物質とアクチノイドの相互作用を把握することは重要であるが、そのためにはまず、その相互作用の機構を明らかにする必要がある。そこで、海底堆積物中でのウランと腐植物質の関係を調べてみた。酸化還元環境等の異なる3測点の海底堆積物間隙水中のウラン濃度、間隙水の紫外・可視スペクトル及び蛍光スペクトルの測定から、酸化的海底堆積物においては、ウラン濃度は間隙水中に溶存する腐食物質、その中でも特にフルボ酸の含有量と良い相関があることがわかった。従って、ウランは溶存腐植物質と錯体を形成している可能性が高い。この事は、又、海水から海底下へのウランの有効な除去機構を明らかにするものあり、如何なる廃棄物処分方式においても核種の最終シンク場所として海底土が期待されていることを裏付けるものである。